二重マスクの予防効果、スパコン富岳で検証「不織布マスク1枚を隙間なく装着と変わらず」
不織布とウレタン素材でマスクを二重にした状態。不織布マスク1枚を正しくつけた場合と比べると4%しか変わらなかった=提供:理研・豊橋技科大、協力:京工繊大・阪大・大王製紙
新型コロナウイルス感染対策について、理化学研究所(理研)などは4日、神戸・ポートアイランドのスーパーコンピューター「富岳(ふがく)」を使い、マスクの予防効果などに関する研究結果を発表した。マスクを二重にすることについて、不織布マスク1枚を隙間なく装着した場合と変わらないことが分かった。 【写真】マスク会食「着脱は2時間で65回」 実際に試して分かった効果と課題 理研計算科学研究センターの坪倉誠チームリーダー(神戸大教授)らが取り組んだ。報告は5回目。 研究によると、不織布マスクは飛沫(ひまつ)の捕集効果が高い分、通気性は悪く、ウレタンマスクや布マスクは捕集効果が下がる分、通気性は良い傾向がある。 不織布マスクについて、金具を鼻の形状に沿って折り曲げて使った場合、飛沫の捕集効果は85%で、金具を折り曲げなかった場合は69%まで下がるという。 さらに、緩く着けた不織布マスクの上に、ウレタンマスクを二重に着けた場合、捕集効果は89%に上昇。不織布マスクを正しく着けた場合と比べると、4%しか変わらなかった。 坪倉チームリーダーは「マスクはフィルター素材の性能のみではなく、飛沫捕集効果と、息苦しさとのバランスで考えるべきだ。二重マスクは一定の性能向上は期待できるが、不織布マスク1枚をできるだけ隙間なく装着することが大事」と述べた。(井川朋宏)
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