7月に「第5波」の恐れ、インド型を懸念「水面下で拡大中と考えた方がいい」
新型コロナウイルス対策の緊急事態宣言は20日を期限に、沖縄県を除く9都道府県で解除される。しかし、「第4波」を招いた前回の宣言解除時と状況がよく似ており、感染の再拡大が不安視される。英国型(アルファ型)の変異ウイルスより感染力が強いとされるインド型(デルタ型など)の拡大などが懸念されるためだ。専門家には「7月下旬から8月にかけて『第5波』が来る恐れがある」との見方が多く、最大限の警戒を呼びかけている。(佐々木栄、東礼奈) 【写真】ワクチンで「黒幕が人類管理」「人口削減が狙い」
変異型増加
(写真:読売新聞)
大阪府などでは2月末で前回の宣言が解除された当時、感染力が強い英国型の拡大が懸念されていた。その後、急速に従来型と置き換わり、大阪府では1日の新規感染者が一時1260人に達し、深刻な病床逼迫(ひっぱく)で「医療崩壊」を招いた。
インド型は、府などが実施する抽出検査で6月10~15日の陽性率が6・2%と増加傾向にある。東京慈恵会医科大の浦島充佳(みつよし)教授(予防医学)は「水面下で広がっていると考えた方がいい。多くの国民がワクチンを打った英国でもインド型の影響で再拡大に転じた。第4波の二の舞いになる恐れがある」と警鐘を鳴らす。
第4波は、社会の活動が活発になる年度替わりに拡大したが、今回も7~8月は夏休みで人の動きが盛んになる時期にあたる。昨年の第2波で感染が拡大したのもこの時期だ。
府の専門家会議座長の朝野(ともの)和典・大阪健康安全基盤研究所理事長は「人々は同じような行動パターンを繰り返す。第5波が来るなら昨年と同じ時期ではないか」との見方を示す。
重点措置に移行
前回解除時との大きな違いは、大阪府などでは21日以降、宣言に準じた「まん延防止等重点措置」に移行する点だ。4月5日から適用された際は感染者を減少させるほどの効果はなかったが、府は今回、酒類を提供する飲食店の入店人数を原則1グループ2人以内に制限するなど感染対策に努める。関西大の高鳥毛(たかとりげ)敏雄教授(公衆衛生学)は「大阪府の吉村洋文知事は前回とは異なり、府民に対し、『まだ安心できない状況だ』とのメッセージを強く出している」と語る。
ワクチン加速
感染抑制で頼みの綱となるのがワクチン接種だが、高齢者を中心に進むものの2回接種を終えたのはまだ全体の1割にも満たない。
大阪府感染症情報センターの本村和嗣センター長は「現時点では『集団免疫』の効果はほとんどない。海外の状況から人口の4~5割程度が2回接種を完了すれば、流行を抑制する効果が出てくるのではないか」と分析する。
りんくう総合医療センターの倭(やまと)正也・感染症センター長は「英国型やインド型は換気が悪いと、マスクを少し外しただけでも感染する可能性がある。解除後も人混みを避けるなど、気を緩めずに行動してほしい」と呼びかけている。
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