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変異したウイルス感染拡大の英 別の変異ウイルスも検出と発表

変異した新型コロナウイルスの感染が拡大しているイギリスで、政府は別の変異したウイルスを、南アフリカからの渡航者と接触した2人から検出したと発表し、警戒を強めています。

イギリスではロンドンを含む南東部で、感染力が強いとされる変異した新型コロナウイルスの感染が拡大していて、23日には1日に確認された新たな感染者が3万9237人とこれまでで最も多くなりました。

こうした中、ハンコック保健相は23日の記者会見で「イギリスで広がっているのとは別の変異したウイルスを2件確認した。いずれも南アフリカからの渡航者と接触している」と述べ、これまでとは別の変異したウイルスを南アフリカからの渡航者と接触した2人から検出したと発表しました。

南アフリカではイギリスのものとは異なる変異したウイルスが見つかり、感染が広がっています。

ハンコック保健相は「イギリスで見つかっているものよりもさらに感染しやすい」としていて、南アフリカに過去2週間以内に渡航した人などに速やかな隔離を求めました。

さらに、ハンコック保健相は外出制限などの厳しい措置の対象地域を今月26日から拡大する方針を示すとともに、医療体制がひっ迫しかねないとして国民に協力と理解を求め、警戒を強めています。

仏との物流再開も輸入品扱う会社は不安

変異した新型コロナウイルスの感染の拡大を受けて、各国がイギリスからの入国を停止する措置などをとるなか、物流の大動脈が通るフランスは23日から一定の条件のもとでの入国を認め、イギリスとの物流が再開しました。

フランスは、イギリスにとってヨーロッパ大陸の玄関口にあたり、両国の間のドーバー海峡はフェリーが頻繁に行き交い海底トンネルも通る物流の大動脈となっていますが、フランス側の入国停止措置で物流が止まり、イギリス側には数千台のトラックが滞留する事態となっています。

こうした中、フランス政府は23日からトラックの運転手を対象にウイルスの検査で陰性であれば、入国を認めると発表しました。

これを受けて物流が再開し、イギリス側は滞留しているトラックの運転手の検査に軍を投入して対応を急いでいますが、混乱の解消には数日かかるとみられています。

イギリスでは依然、ヨーロッパ大陸からの輸送の遅れへの懸念が強まっていて、イタリアからの輸入品を扱うロンドン郊外の会社ではトラックが手配できず、クリスマス前の仕入れを見込んでいた食品の到着が大幅に遅れる見通しだということです。

この会社では、輸入品の8割がドーバー海峡を通じてトラックで運ばれてくるということで、会社の責任者のジェイミー・ギブソンさんは「遅れは年明けまで続くのではないでしょうか。チーズの中には賞味期限が短いものがあり、計画どおり到着しないのは本当に困ります」と不安を募らせていました。

いらだつトラック運転手 警察官ともみ合いに

AP通信が配信した映像によりますと、トラックの長い列ができているドーバー海峡のイギリス側では、いらだちを募らせた一部の運転手が警察官ともみ合いになり、ロイター通信によりますと、逮捕者も出ているということです。

運転手の1人はロイター通信のインタビューに対し「私たちはただ検査を受けて家族のもとに帰りたいだけなんだ。あと1日でクリスマスだが、たぶんここで過ごすことになりそうだ」とやりきれない表情で話していました。

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