新型コロナ生存者は6カ月以内の死亡リスクが60%上昇するという研究結果
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は「死亡率がおよそ2%」と判明している病気です。しかし、8万7000人以上の被験者を対象とした新たな調査によって、COVID-19の生存者ですら6カ月以内の死亡リスクが約60%増加することが明らかになりました。
High-dimensional characterization of post-acute sequalae of COVID-19 | Nature
https://www.nature.com/articles/s41586-021-03553-9
COVID-19 survivors, even those who weren’t very sick, have a 50% greater risk of death
https://www.zmescience.com/medicine/covid-19-survivors-even-those-who-werent-very-sick-have-a-50-greater-risk-of-death/
Veterans Who Survive COVID May Face the Fight of Their Lives | MedPage Today
https://www.medpagetoday.com/infectiousdisease/covid19/92229
セントルイス・ワシントン大学臨床疫学センターのZiyad Al-Aly教授らが行った研究は、退役軍人保健局に保管されている診断記録から「COVID-19がどの程度死亡リスクを高めるのか」を算定するというもの。Al-Aly教授は、COVID-19感染が確認されたものの入院しなかった被験者7万3435人(平均年齢61歳)と、COVID-19感染が確認されず、なおかつ入院することもなかった被験者約500万人(平均年齢69歳)を比較。「感染確認後30日時点で生存していた者」を生存者として定義し、COVID-19による死亡リスクの変化について調査を行いました。
こうしたCOVID-19感染者では、以前の研究同様に、以下の持続的な健康問題を抱える割合が上昇したことも確認されています。
・呼吸器系:持続性の咳、息切れ、血中酸素濃度の低下。
・神経系:脳卒中、頭痛、記憶障害、味覚障害、嗅覚障害。
・メンタルヘルス:不安、うつ、睡眠障害、薬物乱用。
・代謝系:糖尿病、肥満、高コレステロール症などの新規発症。
・心血管系:急性冠疾患、心不全、動悸、不整脈。
・胃腸系:便秘、下痢、胃酸逆流症。
・腎臓:急性腎障害、慢性腎疾患。
・凝固調節:脚、肺の血栓。
・皮膚:発疹、脱毛。
・筋骨格系:関節痛、筋力低下。
また、Al-Aly教授らはインフルエンザによる入院者とCOVID-19による入院者を比較するという調査も行っています。この調査の結果では、COVID-19生存者が死亡するリスクはインフルエンザに比べて「50%高い」と判明しています。
Al-Aly教授はCOVID-19は呼吸器疾患であるものの、体内のほぼ全ての臓器に影響を与える可能性が示唆されたことから、「COVID-19の影響は何年、何十年と長引く可能性がある」とコメントしています。
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