菅首相会見 緊急事態宣言11都府県に拡大 対策への協力呼びかけ
菅首相会見 緊急事態宣言11都府県に拡大 対策への協力呼びかけ
菅総理大臣は、13日夜、総理大臣官邸で記者会見し、緊急事態宣言の対象地域の拡大について、「厳しい状況を好転させるためには、欠かせない措置であることを理解してもらいたい」と述べ、重ねて対策への協力を呼びかけました。また、11の国と地域で実施しているビジネス関係者らの往来を停止する方針を示しました。
会見の冒頭、菅総理大臣は、大阪、愛知、福岡などあわせて7つの府県を対象に、新型コロナウイルス対策の特別措置法に基づく、緊急事態宣言を出したことを説明しました。
そのうえで、「先の1都3県に続き、ほかの地域でも厳しい状況が続いている。皆さんも、不安に感じていると思うが、この厳しい状況を好転させるためには、欠かせない措置であることを理解してもらいたい」と述べました。
そして、「必要なことはあらゆる手段を尽くして取り組んでいく。制約の多い生活でご苦労をおかけするが、なんとしても乗り越えていかなければならず国民の皆さんの協力をお願い申し上げる」と重ねて協力を呼びかけました。
「『ステージ4』に相当する指標が多いことなどで判断」
「対策は、前回同様、飲食店の時短や外出自粛など」
「宣言対象地域以外でも感染拡大には同様の支援」
「病床の確保を徹底的に進めていく」
「不要不急の外出は日中も自粛を」
「あらゆる方策を尽くし命と暮らしを守る」
「徹底して行動の見直しを」
「政府と11都府県との連絡会議を新設」
菅総理大臣は「今回の対策全体が効果を上げるには、国と都道府県がしっかり連携し、国民の皆さんのご協力をいただくことが極めて重要だ。きのう(12日)、1都3県の知事と意見交換を行い、今後連携して対策を行っていくことを確認した」と述べました。
その上で「追加された府県を含めて、政府と各都府県との連絡会議を新たに設ける。この連絡会議の議論を通じて、感染拡大を何としても防ぐために、地域の実情を踏まえた対策を実行していただくとともに、国としても最大限の必要な支援を行って参りたい」と述べました。
「宣言は最善の判断が求められる」
菅総理大臣は記者会見で、緊急事態宣言の対象拡大について結果的に見通しが甘かったのではないかと問われ、「緊急事態宣言は、法律に基づく措置によって感染対策を徹底する強力な手段だ。一方で、皆さんの生活を大きく制約もする。政権としては発出にあたって、最善の判断が求められる」と述べました。
その上で「先週の段階では、大阪の感染者が急増したのは直前のことであり、専門家も『よく原因を分析すべきだ』と評価していた。それに基づいて、東京など1都3県を対象とする判断をした。今回、対象とした地域は、新規感染者数や病床の利用率が いわゆる『ステージ4』に相当する指標が多いことや、大都市圏は人口が集中して、全国に感染が広がるリスクがあるという要素に基づいて判断した」と説明しました。
ビジネス関係者らの往来を停止へ
菅総理大臣は、水際対策について「これまでビジネス関係者らの往来で合意している11の国と地域からの入国者に変異株の感染が確認された事例はない。ただ、現在の国内の深刻な感染状況に加えて、直近では、イギリスからの帰国者によるクラスターや、ブラジルからの帰国者で新たな変異株が確認された事例が相次ぎ、国民の不安がさらに高まっている現状を大変重く受けとめている」と述べました。
そのうえで「あらゆるリスクを予防的に取り除くために、緊急事態宣言が発令されている間、今後、速やかに相手国との調整を完了し、11の国と地域からの新規入国を一時的に停止する」と述べました。
「国民に慣れや疲れも 大きな波がきている 協力を」
「調査の実効性上げるため感染症法改正を検討」
「医療法 検証し必要があれば改正は当然」
「北朝鮮との対話の機会を逃さないようにしたい」
菅総理大臣は記者会見で「拉致問題は菅内閣にとっても最重要課題であり、被害者のご家族が高齢になる中、一刻の猶予もない。条件を付けずにキム・ジョンウン総書記と直接向き合う決意だ」と述べました。
そのうえで「東京オリンピック・パラリンピックへの北朝鮮の参加については、IOC=国際オリンピック委員会や大会組織委員会などとの間で調整される。注視して対話のチャンスを逃すことがないようにしたい」と述べました。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210113/k10012812791000.html